カメラを持って、たまのファンダイブ。
水深30mに住むムレハタタテダイを撮りながら、ふと、おそらくは相当せまいであろう彼らの生活範囲に、しんみりした気持ちになってしまった。
水深30mからの太陽しか知らないんだ。
この水の世界には、ちょっと上に終わりがあって、そこには波が立っていて、その上には空気の世界があるなんて、どう背伸びしても見に行くことはできない。
どちらも見ることができるのは、人間と、あとは一握りの生き物たち。
まあ、そんな世界のことはムレハタタテダイには伝えようがないし、伝わったとしたら、とても惨めな気持ちにさせてしまうかもしれない。
世界はそういう生き物で溢れているということだけ、覚えておこう。
明日からまた6日間、ガイド中は物思いにふけらないようにしなきゃ。